続 イボGの山

何者にも成れずただ登るのみ

大岩谷 20200416

最近は「三密を避けて…」とか「ソーシャルナントカを保って…」などと言う言葉を枕にしなければ、何も発信できない世の中だ。

ついには山に登ることもできない風潮になってしまった。(なのに電車通勤は毎日続いている)

 

電車に乗れば皆咳払い一つせず黙って下を向いている。ちょっとでも咳き込んだりしようもんなら罵倒されるかもしれないからだ。

ネット上では、常に誰かが何かを非難している。皆が家の中でなんだか妙に明るく振る舞っている。

「未知の感染症と戦っているのだから、当然一致団結してこの難局に立ち向かわなければならない。だから、今は全員が自覚を持って我慢しようではないか。#ステイホーム」

僕の周囲には肺炎になりやすい人も居るし、幼い子供や高齢者と同居している人もいる。やれる事はやらなければならない…頭の中では分かっているが、心の中は混沌としている。僕は大人になれない。何かおかしい。

仕事が減った、結婚式を延期したり取りやめたりした、この春入学した学校に通えない、医療環境が不安定で妊活を始められない…こんな事が身近に起こっている上に、山にも登れなくて、僕はそんなに軽々しく明るく前向きになんてなれない。

 

皆、本当は心の中で何を考えているのだろう。分からない。顔が見えないので何も分からない。

 

休日に山に行かないのはもはや意地みたいなもので、大人になれない僕は子供の頃の趣味の工作に没頭したりしている。それはそれで面白い。そして平日になれば三密(人はかなり減ったけど)の通勤電車に乗り込む。やはり何かおかしい。

 

一説によると、終息には2022年までかかり、それまで今の対応を続けなければならない可能性もあるらしい。

仮にこれから二年間自粛すれば、もう僕は山には行かないかもしれない。自分を取り巻く環境がそれどころじゃないかもしれないし、世の中だってどうなっているか分からない。何かの原因で体が動かせないかも知れない。山は逃げないとか言うが、そんなことはない。

だから怒られるかもしれないが、記録は残すことにした。少し前の記録だが、最悪の場合これが僕の最後の山になるかもしれないと思ったからだ。大袈裟だと言うかもしれないが、これが大袈裟だったと言えるようになる事を心の底から願っている。

その前に自分の我慢の限界が来るのではないかとも思ってはいるが。。

 

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平日に休みをとって鈴鹿の沢を遡行した。といっても午前中だけの山行である。結局その日の夜に全国に緊急事態宣言が出された。

 

小岐須渓谷上流部の大岩谷。特に難しいところはないが、良い渓相の沢であった。

 

最初は堰堤が続くので、右岸側についた林道を歩くことをお勧めする。今回は沢通しで歩いてしまった。

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↓堰堤地帯を抜けると良い感じのナメ

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↓この滝は水線突破を目指したが、結局諦めた

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↓立派な白滝。左岸側巻き。おそらく直登もできそう。

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↓10mの滝を越えたあたりで、左岸側の立派な踏み跡を辿って下山。

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帰りに椿大神社で世界の安寧を祈願した。

そしてもう一度登山をやらせてください。